【バスーン/ファゴット】CDレビュー:なんという惹きこまれる表現力!長 哲也(ファゴット)「ソリロキー SOLILOQUY」






株式会社フォンテック様から2018/1/17発売のCD「長 哲也(ファゴット):ソリロキー SOLILOQUY」が届きましたので、簡単にレビューしてみようと思います。

このCDは無伴奏のCDなのですが、まず驚くのは長さんの深みのあるサウンドですよね。冒頭一発目の音で「おおっ」と惹きこまれたあとはもう一直線、その卓越した表現力により、まるで1対1の演奏会に居合わせているかのような錯覚を覚えるほど、音楽の世界に浸ることが出来ます。

作品はそれぞれの作曲家が、各々が考えるファゴットの良さを引き出そうとして作曲した作品ばかりなので、当然ファゴットの良さが伝わる作品にはなっているのですが、それをしっかりと、心から「ああ、ファゴットたまらんわ・・・ファゴット抱き枕にして寝たいわ・・・」と思わせるほどに演奏できる奏者はなかなかいません。それが出来る奏者、その一人がこの長 哲也さんなんだと思います。

どれも素晴らしい作品ですが、特に最後に配置された、長氏の委嘱作品でもある「池辺晋一郎:ファゴットはたゆたい、そして微笑む」これは必聴です。凄い世界が広がります。(どんな世界かはお楽しみにとっておきたいので言いません)

なかなか「ファゴット」と「機動力」という言葉は結び付きにくいかもしれませんが、そんな方にこそ聴いてみてほしい一枚。ファゴットってこんなことも出来るんだ、機動戦士ファゴットなんじゃないか、まだまだ様々な表現を追求できる楽器なんじゃないか、そんな風に感じさせてくれるCDです。

もちろんアマチュアのファゴット奏者は必聴。あなたが演奏している楽器、これだけの幅広い表現を可能にする能力があります。

新年早々、凄い一枚に出会ってしまいました。

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レビュー:梅本周平(Wind Band Press)


商品詳細は以下の通り。

▼メーカーより

東京都交響楽団首席ファゴット奏者 長哲也のデビューアルバムは、なんと完全無伴奏作品で固められた意欲作!

ファゴットという楽器の特性をさまざまな角度から引き出した作品群を前に長は、終始極めて音楽的なアプローチで独白を続けます。

滲み出る豊かな音楽性と、それを裏付ける確かなテクニック。ファゴット奏者ならずとも、必聴です。

品番:FOCD9766
定価:¥2,700+税
発売日:2018/1/17
メーカー:株式会社フォンテック

演奏:長 哲也(ファゴット)

収録内容:

1. ラプソディ:ウィルソン・オズボーン [5:16]
RHAPSODY for Bassoon : Willson Osborne

2. ファンタジー Op.86:マルコム・アーノルド [4:56]
FANTASY for Bassoon Op.86 : Malcolm Arnord

3. パガニーニの主題による変奏曲:モーリス・アラール [10:36]
VARIATIONS SUR UN THEME DE PAGANINI pour basson seul : Maurice Allard

4. モノローグ:イサン・ユン [12:50]
MONOLOG fur Fagott : Isang Yun

5. ニグン:フィリップ・エルサン [9:45]
NIGGUN pour basson : Philippe Hersant

6. ファゴットはたゆたい、そして微笑む:池辺晋一郎 [10:42]
A BASSOON DRIFTS, AND HE SMILES for Bassoon solo : Shin-ichiro Ikebe

収録:2017年4月11-13日 神奈川県立相模湖交流センター




協賛






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